笑福亭鶴笑「パペット落語あたま山」が素晴らしい！

積ん録状態だった
「日本の話芸」を鑑賞。

笑福亭鶴笑さんの
「パペット落語あたま山」が
とんでもなく素晴らしかった！

本編の途中までは
首を傾げるよな進行だったの
だけれども、実はそれが伏線。
ラスト数分は最高のエンタメ！

伝統を尊重しながら、
パペットを利用した新しい表現を
シームレスに違和感なく
落語に組み込んだ手腕に脱帽。

漫画を始めとする創作の参考になります。

ここでネタバレは控えますので
機会があればぜひ観て欲しい芸です。

古典、老害と評されて、
ジャズやSF小説と同様に
マニアが新しいファンを
排除しているジャンルと
批判されがちな落語ですが、
なんのなんの勉強になります。

漫画でも落語でも
(そしてジャズでもSF小説でも)
それまで築き上げた文化は
素晴らしいものです。

しかし保守的、専門的、
そしてマニアックになりすぎると
ジャンルとして進化しにくくなり、
衰退してしまいます。

なの伝統を尊ぶ本流と別に、
新しい方向性を模索する先鋒が
重要になるわけですね。

リアルを持ち込んだ「ガンダム」しかり。
落ちもの、ハーレムの「うる星」しかり。
投げっぱなし演出の「エヴァ」しかり。

出る杭になることを恐れず、
いろいろチャレンジせねば、と
襟を正させてくれた演目でした。

ただし、自分では出る杭のつもりでも、
うっかり裸の王様になっていませんように……。

笑福亭鶴笑「パペット落語 あたま山」が素晴らしい！